ヘンリーさん②≪スクールミーティングについて≫
※ メモのため、全文ではありません。記録できていない文章もあります。
※ 見出しと文のまとまりは、私がつけたものです。
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スクールミーティングについて。
子どもが、自分自身の問題を自分たちで、その場で解決できることが大事です。
たとえば、小さな惑星に住んでいるところを想像してみてください。そこにトランポリンがあるとします。それは楽しい惑星だと思いますよね。一日中飛び回りますよね。そこに2人の子どもを配置したとします。これは、子どもの安全面の話をしているわけではないので安心してください。ほんのわずかな間だけ連れていきます。(笑) 「その二人の子どもが公平に遊ぶことができればいいな」と理想として思います。彼ら自身が話をして公平に協議できればよいです。しかし、現実を考えてみると、おそらく、もしかすると、一人がもう一人より力があり、長くトランポリンで遊ぶことが、自然と起こるかもしれません。このことに対して、私たちはひどい人間だと言うつもりはありません。でも、このことについて考えておく必要があります。
デモクラティックスクールでは、自分たちで決めることができます。法律、ルールをつくることができます。たとえば、サマーヒルでは、400のルールがあります。こんなの自由じゃない。ありえないですよね。(笑) ただ、大事なこととしては、これらすべてが、コミュニティ内で子どもがつくったものであるということです。
母の文字を読ませてください。【私たちは、コミュニティ内でルールをつくり、個々人の自由を守る。個々人にわかるように、シンプル化を図る。小さな子どもにとっては、とってもシンプルだから安心。トランポリンが目の前にある場合、トランポリンを使う人によってそのルールがつくられたということが大事。それが自分たちのルールであることが大事。大人が強制的につくったものではいけない。「この状況はフェアじゃない」と気づいたうえで、ルールを自分たちでつくることが大事。】
現段階でサマーヒルには多くの法律、ルールがあります。「トランポリンを使える自由はある。ただ、他に使いたい人がきたという場合、あと5分で譲らなくてはいけない」というルールがある。これは、論理的なルールだと思います。
私がトランポリンを自由に使っています。小さい子が来ます。「あと4分だよヘンリー」「あと3分だよヘンリー」「あと2分だよヘンリー!」…私の自由が奪われていくのを感じます。(笑) 小さな6歳の子に管理されているのです。大人なので、私はこんな子どもの言うこと聞かなくてもよいのではと思うこともあるのでは。(笑)
オンブズマンというのがあります。コミュニティの中の年長のメンバーがなります。コミュニティのメンバーの問題、課題、解決するための役割(?:正確な語の記録がありません)です。
私はまだ、数分間余計にトランポリンを飛んでいます。小さな子がオンブズマンを連れてきます。オンブズマンに「ヘンリーどきなさい、時間過ぎている」と言われます。私は抵抗します。
小さな6歳とオンブズマンがこう言います。「ヘンリーあなたをミーティングにかけます。」こうして規則をつくったり、問題を解決したりします。
通常ミーティングで何が行われるかと言うと、サマーヒルでは罰金を使ってこの問題を解決します。罰金というのは、「ヘンリーあなたは悪い人で私たちはあなたが好きではありません」と伝えるためのものではありません。罰金と言っていますが、24時間トランポリンを使えないという罰であることもあります。
大人から見ると簡単に問題を解決できるように見えることでも、子どもからすると重要な問題であることがあります。子どもにケーキをあげたとします。小さいケーキ、大きいケーキ。子どもは、常に自分自身に目が向いています。自己中心的、それはそれでよいと思います。大きい方を選びます。
できるだけシンプルな制度を提供してあげることが重要です。平等、対等性が担保される、「あなたは私の自由を侵しました、私にとって許されることではありません」と言える制度です。
子どもたちは自由から最大のことを得ることができます。日々の生活で起こること。それはよい。発達する中で、いけないことだと学ぶその機会が与えられていることが大事だと思います。
サマーヒルのすばらしいことは、その制度がシンプルで、いつも使われていることです。毎日新たな規則が作られ、新たな問題が起こり。子どもたち自身を守るものだという実感が持たれていることが重要だと思います。
ヘンリーさん③≪学びの側面について≫
※ メモのため、全文ではありません。記録できていない文章もあります。
※ 見出しと文のまとまりは、私がつけたものです。
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学びの側面について。
私たちにとって、選択肢があるということは、必須です。子どもたち自身が「準備ができた」と感じることが、学びにアクセスできるうえで重要です。自分自身で発見したいと思ったときに発見できる機会があります。子どもたちがベストにできるのです。大人の監督下でなく、自然の中でできるだけ多くの時間。レッスンにアクセスする必要があると子どもたち自身が感じたときに、その機会があることが重要です。そのステージが用意されていることが。もちろんこれには準備、作業が必要です。子ども時代を満たした、次の段階に移行、というのがサマーヒルにとって重要です。
私にとって自由は少し怖くもあります。人々はこの自由と言う言葉に恐れを抱いています。私自身これも理解できます。
たとえば、14歳の子どもが全くレッスンをうけず、「ASニイルの言っていることって本当に正しいの?」と質問をする人がいます。ニイルは理念があり、実践しているのがサマーヒルです。公立からすすんできた人が、それを疑問視する気持ちもわかります。
こういった会議、デモクラティックエデュケーションの動きが広まっていく中で、***(記録なし)。自由はゴジラのようなものだと言いましたが、そういう意味です。最終的には、ゴジラいい役ですよね。それがまさにサマーヒルでの自由です。
ヘンリーさん④≪Q&A≫
※ メモのため、全文ではありません。記録できていない文章もあります。
Q 子どもが、たとえば24時間禁止されていることを破ったとします。私の学校では民主的制度を尊重しない子どももいます。そのようなことが、どういった程度おきたことがありますか。どうしますか。
A: やりすぎのことが起きた場合、サマーヒルにおいては、例えば罰金をかすことがあります。何度も何度も違反した場合、例えば、より違反することが難しい罰をかします。たとえば、子どもにお金を与えないことで違反することができない。たとえば、個々人が使っているデバイスを募集する。抵抗できない。これらは、処罰的に、ネガティブなことに思われるかもしれません。同時に、他の人に対して自由に何でもできるということもよくありません。子ども自身が理解できるまでやり続けます。
たとえば、子どもを家に一定期間送り返さなくてはいけないこともあります。物理的に、他の子どもに暴力的なことがあったりするときなどです。これは強力的な措置になっています。子どもは正直さというものを尊重します。コミュニティが怒っている場合は、怒りをその対象に示した方がよいです。子どもはサマーヒルが好きです。一線を超えた場合にダメだと、そういったこともあります。1週間まるまる家に帰したこともありました。ただ、別に彼に対して我々は怒っていない、彼のしたことに対して起こった、彼は愛していました。これはとても大事なことです。コミュニティ、構成員一人ひとりの声を代弁しているミーティングの手続きを好き勝手にする人がいてはいけません。
Q: 子どもたちは、決断を下す際に、決断をくだすのは子ども達ですか?大人ですか?
A: たとえば、備品について子どもたちが決断を下すことはありません。大人やマネージャーがします。
Q: 入学してくる子どもについて
A: 12歳以上は受け入れたくないという基準は唯一あります。残念ながら公立の学校で多くの傷を受けて、感情をもってきます。12歳くらいになると感情を抱え込んでいます。プロセスが長くなります。できるだけ若年で入ってきてほしいと思っています。
特別なニーズを抱えた子どもたちはこれまでもいました。彼らに接する方法は他の子と一緒です。個々人に焦点をあてるというより、誠実さ正直さを大切にしています。入ってきた人たちが、「私は特別なニーズを抱えている」と思うかもしれません。お互い受け入れる、助け合う、ただ問題を解決していくのはあなたですよ、という正直さをサマーヒルは大事にしています。例えば自閉症。サマーヒルに来るまで「あなたは特別」と言われてきました。サマーヒルにきて、確かにあなたは対等だと、ただ、だからといってあなたが他の人より権利を持つわけでない。
Q: ミーティングは強制ですか。
A: 違います。8~9割の構成員がミーティングに参加します。必ずしも強制と言うわけではありませんが、就寝時間、自由ができたと想像すると楽しくなります。最近ブックコミュニティという委員会が設置されました。私が通っている頃は100~150位のルールでした。
たとえば、過去子どもがやってきて、このルールは取りやめたいということがあります。小さな子どもはルール撤廃を嫌がります。トランポリンのルールを必要とします。過去、ルール撤廃は行われたことはありませんが、このルールが必要かと言う議論はおこります。
本当にばかげたルールもありますよ。例えばこんなものもあります。「おしっこをするとき、立ち上がってするときは、トイレのシートをあげなくてはいけない」こんなこと言わなくても、当たり前、わかる。(笑) 例えばそんなルールもあります。
Q: カウンセリングというのが正しい言葉かわからないが、ある年齢に達したときにスタッフでカウンセリングする、例えば子どもを家に帰す前にスタッフの側から話を聞くプロセスはありますか。
A: とくに、正式な形ではやっていません。ただ、私たちは人間的な形をやっています。お互い話をする、確認をするということもあります。ただ、多くは友達同士の話し合いで解決に向かうことが多いです。
罰により、平日の間だけスクールに来る子がいました。男の子で、家に帰りますが、家に帰っている間に地元の公園に遊びに行っていました。母親から聞いた話ですが、その男の子は、他の男の子たちにと会ったときに、あまりにも普通の接し方だったようです。サマーヒルから家に帰されたときだったので心配だったのですが。人間として個人に問題があるのではなく、何か問題を起こしてしまった、その問題の結果として罰をうけているけど、戻ってきたときにはまた普段通り受け入れると言う、正直さが大事だと思います。
Q: スクールミーティングで地元の法律に違反したようなことを決めた場合はどうなるか。
A: デモクラシー、民主主義、というのは、少しばかりサマーヒルでは意味合いが違います。
サマーヒルには変えることのできない、安全上のルールもあります。安全関係のルール、たとえば、火災、道路など設定されています。サマーヒルは監査をされています。他の公立学校と同じ基準です。例えばサマーヒルで子どもはアルコールを摂取できる、薬物OKということはできません。子どもも、ある意味そういったものを受け入れてくれています。
たとえば、先生をクビにするといったことは経営陣が決めます。経営陣に言うことはできますが、決定は経営陣。文句を言う人はいません。安心感につながります。こういったものがサマーヒルではとりわけ重要なものだと認識されています。
Q: もし学校が生徒に対してかした罰金に、親が異議を唱えた場合どうしますか。
A: 親とスクールとの関係は重要です。ミーティングで決定したことは、親が異を唱えることはできません。スクールミーティングで決められたことに対して親が「ミーティングで決められたことだから守らなくてはいけない」と言う認識をもってもらわないといけません。ミーティングプロセスにおいて親が入る余地は一切ありません。
Q: 例えば、こんなことがおきたことがありますか。読む勉強をしない、話す勉強もしない、介入しなくてはいけないということがありませんでしたか。言語発達が遅れているなど。どれくらいのところまでこどもたちの勉強しない自由が認められているのですか。
A: 正直さ、重要だと思います。特別な注意を必要とするリストがあります。学力的観点、個人的観点。たとえば、この子どもがレッスンを受けていない、他に楽しいことをしている、遊びまくっている、自信がない、支援が必要か、そういったことを把握できるようになっています。スタッフのチームとしてそういったことを把握できるようにしています。
耳が聞こえない子どもの話。自閉症を抱えた子ども。どういった形で発達を支えられるか学ぶために職員を外に送り出したこともあります。
たとえば、たくさんのトラウマを前の学校で経験していた子どもがいました。まず私たちは、その子どもが繋がりを感じることができる人を見つけようと思いました。それは寮にいる大人でした。たとえば、森に二人で座ってリラックスできる環境で話したりするなかで、学習ということは楽しいと子どもが気づくことができました。
Q: シンプルさがとても大事だとお話しされていたましたが、具体的に何を意味しているか教えてほしいです。このシンプルさを400以上の規則がある中でどのように位置づけているのか。また、現実社会の中で、学校だけでなく社会の中でどのようにできるか。
A: デモクラティックシステムそのものがシンプルだと言えます。私たちは一緒に住み、それぞれが意見を持ち、投票することができます。全員が満足することになると必ずしも言えませんが、問題解決においてとてもシンプルだと思います。シンプル、根本にある許可なし自由に直結すると思います。他の人の自由を侵害しない限りどんなことをしてもいい。ただそれを享受するにはあなた自身もコミュニティになにか還元しないといけない。子どもたちがミーティングに参加し、ルールをつくっていきます。
また、別の要素として、特に若い子どもたちに当てはまる要素として、もしあなたの権利が何らかの理由で幅回れている場合、その問題を解決する何らかのシステムがある。ミーティングのプロセスがあることで、あらゆることがシンプルになると思います。
ただ、それを社会の中でどう実現するのかです。スクールの制度によって彼らの人生が動かされているわけでなく、あくまでも大切なのはそこでなにを学ぶのか。他の人を尊重する、自分の権利も認識する。自分しかいないのではなく、他の人ももっている価値、権利を学ぶ大きなメッセージではないでしょうか。それを社会にもあてはめると、そこまで人々に圧力をあたえなくても、他の人に価値や権利があることを認識できれば、多くのことがシンプルになると思うのですが、どうでしょうか。
Q: サマーヒルの子どもたちが、理解していても一線を超えるとき、職員の人たちはミーティングで取り扱われるのを待つのか、介入するのか。どう対応するのですか。
A: まずは、「子ども自身で対応できるようになることを目ざす」ということがあります。そんなことをやめてほしいと子どもが言う事をまずは待ちます。オンブズマンやミーティング。しかしながら現実的にそれが必ずしも起きているわけではありません。
私は、自分がダメということは言いません。オンブズマンを呼ぶよと言います。私たちの学校で一番大事なのは、システムがあり、そのシステムを使って問題を解決していくということです。そのシステムがあることが安心感に繋がります。システムが自分たちの側にあると感じられなければいけません。年長の子、力の強い子がルールを破ったとき。***。
たとえば、学校の制度がイエローとしましょう。意見は違う、違う色を持っている。このシステムの中に自分たちの考えを反映させたいと考えます。このイエローの色がブルーやピンク、いろんな色に変わり得る。それがデモクラティックスクール、ルールの美しいことだと思います。コミュニティのメンバーとして、私はときにイエローを示さなければいけないこともあります。常に変わり続けていると不安に繋がる。しかしながら、大人としてそんなことをしてはいけないということは言わないようにしています。オンブズマン、ミーティングにアクセス、そういうことをとおして。
Q: 子どもたち自身で問題があったときに解決を図れる手段があること、素晴らしいと思います。自由が子どもたちにとっての基準となりますが、規則やルールを理解する前に自由と言う部分だけをピックアップしてしまう子どもがいると、どうしますか。、理性的な部分に焦点をあてるのではなく、情緒的なものに焦点をあてるカリキュラムやイベント、プログラムは何かありますか。
A: 情緒的なレジリエンスをするクラス、そういったものは特にありません。自身でコミュニティでやりたいという人たちはいますが、学校としてそれを用意しているということはありません。
感情的、情緒的な面で問題があったときにどうするか。対応の仕方としては他の問題と同じです。心理学者に話を聞いてもらう必要があると言うことがあれば外部から呼んできます。スクール内にそういった人はいません。必要があればそういったこともあるかとは思いますが、めったにありません。
Q: 親御さんが遠くに住んでいる場合、どういった形でコミュニケーションをとっているのですか。
A: まずは、コミュニケーションはできるだけしっかりとしたいと思っています。しっかりとした理念的なものが親との関係である。
たとえば、学力の発達について親が知りたいときには、「子どもに聞いて」と言っています。子どもが権利を持っています。サマーヒルに信頼感をもってもらいます。サマーヒルが何なのかということを親御さんに理解いただく必要があります。できるだけ早い段階で、子どもが入る前に親御さんにサマーヒルを見てもらいます。
様々な国籍の子どもがいるのは良いことだと思っています。世界中のお祝いをします。子どもたちがそうしたいと思っているからです。そういった意味でもめ事がたくさん起こっているということはありません。